3.こんな時どのような運動をすればよいのですか?

正しく安全に運動するためのポイント

(2)訓練の実例・処方例

1 肘の曲がりが悪い人

肘の曲がりが悪くなると、ワイシャツの1番上のボタンがかけづらい、ネクタイを締めるのが困難、洗髪がしにくい、などのほか、首を前に曲げて食事をしがちになります。

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関節可動域の制限が軽度であれば、日常生活における習慣として関節を動かすことで、改善を目指します。

まず、指先で肩を触れるように十分肘を曲げ、それから両腕を上方に伸ばして万歳をするようにします(肩触れ万歳の運動)。例えば、トイレに席を立った際、鏡の前で「肩触れ万歳」を3回、1日につき1~2セット行ってみて下さい。

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肘の関節可動域訓練を集中的に行うには、本サイト 「肘関節の運動」 で紹介しているようにテーブルの上に肘を載せ、前腕を滑らせるように肘の曲げ伸ばしを1日につき10回程度行う方法もあります。強く矯正するのではなく、自分で動かして痛みを生じない範囲内で目一杯行って下さい。

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2 膝の曲げ伸ばしが悪い人

膝の屈曲(曲げ)が制限されると、椅子からの立ち上がり、特にソファや畳からの立ち上がりが困難になり、和式トイレの使用や正座がしづらくなります。一方、膝の伸展(伸ばし)が制限されると、歩行時に膝が伸びず膝折れしやすい、長く歩けない、階段を上り下りしにくい、などの訴えが生じます。

 

関節可動域の制限が軽度であれば、日常生活における習慣として関節を動かすことで、改善を目指します。仕事で椅子に座っている場合、休憩時間にその姿勢のまま、ゆっくり2~3回膝の曲げ伸ばしをします。膝の伸展は、自分の前に椅子を置き、その上に足を載せて膝を伸ばすとより効果的です。

 

膝の関節可動域訓練を集中的に実施するには、本サイト 「膝関節の運動」 で紹介しているように、ベッドや床の上でゆっくり膝の曲げ伸ばしを10回程度行います。これを毎日繰り返します。

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3 足首の動きが悪い人

足首の動きは、まず、上げる動き(背屈)が制限されます。足首の背屈が制限されると、歩く時にかかとが地面から直ぐに離れ、つま先歩きの傾向になり、坂道や階段を上るのが不便になります。一方、足首を下げる動き(底屈)が制限されると、歩く時に足を蹴り出す動きができなくなります。

 

足首の運動はどのような姿勢でも構いませんが、足首を十分背屈させた後で底屈させます。例えば、仕事の休憩時間などにゆっくり3回、1日に2~3セット繰り返します。

 

足首の関節可動域訓練を集中的に実施するには、本サイト 「足関節(足首の関節)の運動」 で紹介しているように椅子に座った状態でかかとを床につけ、十分に足首を背屈させた後、今度はつま先を床のほうに押し下げるように十分に底屈させます。これを毎日10回程度繰り返します。

 

4 出血した時

関節内出血を生じた場合は製剤を注射して、局所の安静を保ちます。痛みが強くなければ、安静による筋力低下を防止するために、等尺性筋収縮運動(例: 膝のマッスルセッティング )を行っても差し支えありません。1~3日後に出血が止まれば、関節可動域訓練や筋力強化訓練を開始します。